2025年瀬木研論文
- Segi
- 11月27日
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2025年は瀬木研究室の皆さんが中心となって発表した論文が5本出ています。どの論文も修士、博士での研究に基づいており、瀬木研の10年間の成果が結実し始めていることを感じます。1つ1つの実験を研究室で立ち上げて進めており、卒業生・在学生の汗と涙の結晶と思います。
Ohno, M., Nakamura, H., Sakai, N., Nammoku, M., Suzuki, K., and Segi-Nishida, E*.: Functional role of dentate gyrus calbindin-D28K in supporting neurogenesis and emotional-social behavior relevant to antidepressant action. Pharmacol Biochem Behav, 174076. 2025. doi:10.1016/j.pbb.2025.174076
2020年度,2022年度修士卒業の大野さん、中村さんが中心となった研究です。海馬歯状回の成熟神経マーカーとして知られるCa2+結合タンパク質Calbindinの機能を調べた研究です。Calbindinは成熟神経の活動性の維持に寄与し、行動面では不安を抑制していることが示唆されました。海馬歯状回の成熟神経の役割については今後も瀬木研の大きなテーマとなります。

Kasakura N, Murata Y, Suzuki K, Segi-Nishida, E*: Role of endogenous NT-3 in neuronal activity and neurogenesis in the hippocampal dentate gyrus. Neurosci Res, 218, 104923 2025. doi: 10.1016/j.neures.2025.104923
2025年度博士学位を修得した笠倉さんの論文です。神経栄養因子NT-3の海馬での内在性機能を明らかにしました。学位論文の大きな柱となりました。NT-3の行動に与える影響については今後の大きな課題となります。
Motohashi H, Yamaji Y, Mori K, Washizu S, Hoshino O, Fujimoto K, Kanazawa S, Minegishi Y, Ota N, Mori T, Segi-Nishida, E*: Persistent pain signaling and stress response in a mouse model of inflammatory low back pain. Pain Rep, 10, e1300. 2025. doi: 10.1097/PR9.0000000000001300
2023, 2024年度修士卒業の山路くん、森くん、鷲頭くん、現在修士の星野くん藤本さん、そして花王の本橋さんらが中心となり、腰痛モデルでの行動評価と末梢・中枢の機能変化、さらにはストレス応答への影響について明らかにした論文です。
腰痛モデルの立ち上げから、多くの人が関与しながら進めていったプロジェクトとなります。
Shiraki H, Segi-Nishida E*, Suzuki K*. Effect of chronic corticosterone administration on acute stress-mediated gene expression in the cortex and hippocampus of male mice. Biochem Biophys Res Commun. 762:151729., 2025. doi:10.1016/j.bbrc.2025.151729
2023年度修士卒業の白木さん/助教の鈴木先生が中心となった研究です。ストレスホルモンとして知られるコルチコステロン長期投与によるストレス応答性の変化について検証した研究です。コルチコステロン長期投与後は、急性ストレスに対して脳の炎症応答が大きくなることを見出しました。
Tamura, N#., Suzuki, K#., Shiraki H., Waguri, I., and Segi-Nishida, E*., Production of Adeno-Associated Virus Vector Serotype rh.10 and Optimization of Its Purification via Chloroform Extraction, Biol. Pharm. Bull. 48, 1–8 (2025) (#, equal contribution)
2024年度修士卒業の田村くん/助教の鈴木先生が中心となり行なった研究です。脳を含む様々な組織に遺伝子導入が可能なAAVの簡易生成法を開発しました。




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