瀬木研博士課程の笠倉さんによる論文がFrontiers in Neuroscienceに掲載されました。
Overexpression of NT-3 in the hippocampus suppresses the early phase of the adult neurogenic process
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2023.1178555/full
神経栄養因子の一つであるNT-3は、成体脳でどのような役割を果たしているかは不明な部分が多くあります。本研究では海馬歯状回にNT-3を過剰に発現させた時の神経機能変化を検討しました。NT-3過剰発現によって、神経活性指標や成熟マーカーの増大が認められた一方、神経新生(新たな神経の産生)は減少しており、特に神経幹細胞/前駆細胞の増殖減少が認められました。
NT-3遺伝子はストレスによって海馬で発現が増大することも合わせ、成熟神経でのNT-3による機能促進とともに、NT-3の神経幹細胞の静止状態維持の役割が示唆されました。
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